リモートワークでの会議調整を効率化 デジタルツールで簡単に日程を決める方法
はじめに:リモートワークでの会議調整、こんな課題はありませんか
パンデミック以降、働く場所がオフィスだけでなく自宅や遠隔地へと広がりました。これにより、多くの企業でリモートワークが導入されています。リモートワークには様々なメリットがありますが、対面でのコミュニケーションが減る中で、「会議の日程調整」に手間取っているという声も少なくありません。
これまでは、隣の席の同僚に声をかけたり、部署内のホワイトボードで空き時間を確認したりといった方法で会議の予定を決めることができました。しかし、リモートワークではそうした方法は難しくなります。参加者一人ひとりにメールやチャットで都合の良い日時を確認し、集計して、改めて打合せを設定するという一連の流れは、参加人数が増えるほど煩雑になり、多くの時間を費やすことになります。
このようなリモートワーク特有の会議調整の課題を解決するために役立つのが、デジタルツールです。今回は、デジタルツールを活用して、会議の日程調整をもっと簡単かつ効率的に行う方法をご紹介します。
会議調整を効率化するデジタルツールとは
会議調整を効率化するデジタルツールには、主に二つのタイプがあります。一つは、普段お使いのオンラインカレンダーの機能を使う方法、もう一つは、日程調整に特化した専用のツールを使う方法です。どちらの方法も、参加者間の空き時間を把握しやすくし、調整にかかる手間を大幅に削減することを目的としています。
これらのツールは、特別な技術や知識がなくても利用できるものが多く、デジタルツールに不慣れな方でも比較的容易に導入できます。
1. オンラインカレンダーの共有・連携機能
多くの企業で利用されているメールやグループウェアには、オンラインカレンダーの機能が備わっています。例えば、Google Workspace(旧G Suite)のGoogleカレンダーや、Microsoft 365のOutlookカレンダーなどです。
これらのオンラインカレンダーを活用すると、会議の参加者それぞれの「空き時間」を一覧で確認できるようになります。これは、参加者が自分のカレンダーに予定を正確に入力・共有している場合に有効です。
基本的な使い方
- 自分の予定を入力する: 会議だけでなく、資料作成や移動時間など、自分の時間をブロックする形でカレンダーに予定を正確に入力します。これにより、他の人があなたの空き時間を把握しやすくなります。
- カレンダーを共有する: チーム内や必要に応じて、自分のカレンダーの空き時間情報のみを他のメンバーに公開設定します。これにより、メンバーはあなたの詳細な予定は見えませんが、会議可能な時間を把握できます。
- 会議招集機能を使う: 多くのオンラインカレンダーには、会議の参加者を指定して招待を送る機能があります。招待を送る際に、参加者全員の空き時間を同時に表示できるツールもあります。これにより、全員が参加できる時間を視覚的に見つけやすくなります。
この方法のメリットは、普段使っているツールをそのまま活用できる点です。新たなツールを導入する費用や手間がかかりません。デメリットとしては、参加者全員が同じ種類のオンラインカレンダーを使っており、かつ各自が正確に予定を入力・共有している必要がある点が挙げられます。
2. 日程調整専用ツール
オンラインカレンダーの連携だけでは難しい場合や、社外の方との調整が多い場合には、日程調整に特化した専用ツールが役立ちます。
これらのツールは、会議の主催者がいくつかの候補日時を提示し、参加者が都合の良い日時を選択して回答するという流れで日程を決定します。回答状況はツールが自動的に集計してくれるため、主催者は一人ひとりの回答を集計する手間がかかりません。
基本的な使い方
- 会議の概要と候補日時を設定する: ツールの画面上で、会議の名称、簡単な説明、そして主催者が候補として提示したい日時を複数選択します。
- 参加者に回答用URLを送る: 設定が完了すると、回答用の特別なURL(インターネット上の住所のようなもの)が生成されます。このURLをメールやチャットで会議の参加者に送ります。
- 参加者が都合の良い日時を選択する: URLを受け取った参加者は、そのリンクをクリックしてツール画面を開き、提示された候補日時の中から都合の良い時間を選んで回答します。
- ツールが自動集計し、日時を確定する: 参加者全員の回答がツールに集まります。ツールは回答状況を分かりやすく一覧で表示し、どの時間が最も多くの参加者にとって都合が良いかを示してくれます。主催者はその情報を見て、会議の日時を決定します。
日程調整専用ツールには、シンプルな機能に絞った無料のものから、オンラインカレンダーとの連携機能やWeb会議のURL自動発行機能などが付いた高機能な有料ツールまで、様々な種類があります。「調整さん」や「TimeTree」(カレンダー共有アプリですが調整にも使えます)など、比較的簡単に使えるツールも多く存在します。
この方法のメリットは、参加者が特定のオンラインカレンダーを使っているかどうかに関わらず利用できる点、そして回答の集計が非常に簡単な点です。デメリットとしては、新しいツールを使うことに抵抗を感じる方がいる可能性がある点、高機能なツールは費用がかかる場合がある点が挙げられます。
ツール導入のポイントと注意点
デジタルツールを使って会議調整を効率化するためには、いくつかのポイントがあります。
- まずは使ってみる: 多くのツールには無料版やトライアル期間があります。まずはチームや部署内で試験的に使ってみて、自分たちの働き方に合うかどうかを確認することをお勧めします。
- チームでルールを決める: 「オンラインカレンダーには正確に予定を入れる」「日程調整ツールの回答は〇日以内に必ず行う」など、チーム内で簡単なルールを決めると、よりスムーズにツールを活用できます。
- セキュリティに配慮する: 不審なメールに記載されたURLや、出所不明のツールからのリンクはクリックしないように注意が必要です。利用する際は、信頼できる提供元のツールを選びましょう。また、オンラインカレンダーで詳細な予定を共有しすぎないなど、情報公開範囲にも配慮が必要です。
まとめ
リモートワークにおける会議の日程調整は、これまでのやり方では非効率になりがちです。しかし、オンラインカレンダーの共有機能や日程調整専用ツールといったデジタルツールを適切に活用することで、この課題を解決し、調整にかかる時間と手間を大幅に削減できます。
デジタルツールは、私たちの「働く」をアップデートするための有効な手段です。新しいツールに慣れるまでには少し時間がかかるかもしれませんが、小さなステップから試してみてはいかがでしょうか。効率的な日程調整は、会議そのものの質を高めることにも繋がります。ぜひ、デジタルツールを活用して、リモートワークでの会議調整をスムーズに進めてください。