デジタルツール初心者向け リモートワークで役立つツールの具体的な学び方ステップ
はじめに
パンデミック以降、働き方は大きく変化し、特にリモートワークにおいては様々なデジタルツールが活用されています。Web会議ツール、ビジネスチャット、オンラインストレージなど、多くのツールが登場し、それぞれの使い方を学ぶ必要が出てきました。しかし、デジタルツールにあまり慣れていない方にとっては、「何から手を付ければ良いのか分からない」「情報が多すぎて混乱する」といったお悩みも少なくないかと存じます。
この状況に対し、全てのツールの使い方を網羅的に学ぶのは現実的ではありません。大切なのは、ご自身の業務に役立つツールを効果的に学習するステップを知ることです。この記事では、デジタルツール初心者の方でも安心して取り組める、リモートワークで役立つツールの具体的な学び方について解説します。
なぜ「学び方」を知ることが重要なのか
デジタルツールの学び方を知ることは、単に操作方法を覚える以上に重要です。適切な学び方を実践することで、以下のメリットが期待できます。
- 効率的な習得: 必要な情報に絞って学べるため、時間を有効に使えます。
- 自信の向上: 「分からない」という不安が軽減され、積極的にツールを使えるようになります。
- 業務課題の解決: ツールの活用方法を理解することで、リモートワークでのコミュニケーションや情報共有、業務プロセスにおける具体的な課題を解決できるようになります。
効果的な学習のための基本的な考え方
デジタルツール学習に取り組む上で、まずは以下の基本的な考え方を持つことが大切です。
- 目的意識を持つ: 「このツールで何をしたいのか」「どんな困り事を解決したいのか」を明確にします。目的が分かれば、学ぶべき機能が見えてきます。
- 一度に全てを学ばない: ツールの全ての機能を使いこなす必要はありません。まずは、ご自身の業務で最も利用頻度が高いと思われる機能に絞って学習します。
- 焦らない: 新しいツールに慣れるまでには時間がかかるものです。すぐに覚えられなくても焦らず、ご自身のペースで少しずつ進めることが重要です。
デジタルツール学習の具体的なステップ
ここでは、初心者の方が取り組みやすい具体的な学習ステップをご紹介します。
ステップ1: 業務で「何に困っているか」を整理する
まずは、現在リモートワークでどのようなことに困っているかを具体的に書き出してみましょう。例えば、
- チームとの情報共有がうまくいかない
- 会議の調整に時間がかかる
- 書類を探すのに手間取っている
- 口頭でのやり取りが減って状況が把握しにくい
などです。これらの困り事と、現在使っている、あるいはこれから使う可能性のあるツールを結びつけて考えます。例えば「情報共有がうまくいかない」のであれば、ドキュメント共有ツールやビジネスチャットが役立つかもしれません。
ステップ2: 必要なツールの「これだけは必須」な基本機能を絞る
ステップ1で特定した困り事を解決するために、そのツールで「最低限これだけは使えるようになりたい」という基本機能に絞り込みます。例えば、ビジネスチャットであれば「メッセージの送信と受信」「特定の相手へのメンション(呼びかけ)」「グループチャットへの参加」など、日々の業務で最も頻繁に使う機能です。
応用機能や細かい設定は、基本操作に慣れてきてから学ぶようにします。
ステップ3: 学びやすい方法を選ぶ
デジタルツールの学習方法にはいくつか種類があります。ご自身にとって最も取り組みやすい方法を選んでみましょう。
- マニュアルやヘルプを参照する: ツールの提供元が公開している公式のマニュアルやヘルプドキュメントは、最も正確で信頼できる情報源です。特に知りたい機能について検索機能を活用して調べることができます。少し専門的な表現がある場合もありますが、丁寧な説明が記載されています。
- 動画チュートリアルを視聴する: 操作画面を見ながら説明を聞ける動画チュートリアルは、視覚的に理解しやすいため初心者の方におすすめです。YouTubeなどの動画プラットフォームや、ツールの公式Webサイトで公開されていることが多いです。短い動画から試してみると良いでしょう。
- 実際にツールを操作してみる(実践): 実際にツールを「触ってみる」ことが、最も効果的な学習方法かもしれません。本格的に使う前に、テスト用の環境や機能を試せる場所があれば、実際に操作してみることをお勧めします。エラーを恐れずに、まずは基本的な操作を試してみましょう。
- 周囲に質問する: デジタルツールに詳しい同僚や部下に質問することも有効です。具体的な困り事を伝えれば、解決策や簡単な操作方法を教えてもらえるかもしれません。もし社内にデジタルツールの勉強会などがあれば、積極的に参加してみるのも良い方法です。
これらの方法を一つに絞る必要はありません。例えば、動画で大まかな流れを掴んだ後、マニュアルで詳細を確認し、実際に操作して慣れる、といったように組み合わせて学習することも可能です。
ステップ4: 学んだことを簡単に記録する
学習した内容や、つまずきやすかった点、よく使う操作などを簡単にメモしておくと、後で見返したときに役立ちます。自分専用の「使い方メモ」や「簡単なマニュアル」を作成しておくことで、次に同じ操作をするときに迷うことが少なくなります。デジタルツールを使ってこのメモを作成するのも良い練習になります。
ステップ5: 定期的に復習・応用する
一度学んだだけでは忘れてしまうこともあります。学んだ基本操作は、繰り返し使うことで定着させることが重要です。また、基本操作に慣れてきたら、少しずつ別の機能に挑戦してみるなど、応用にも取り組んでみましょう。
学習を継続するためのヒント
- 無理のない計画を立てる: 毎日少しの時間でも良いので、学習する時間を確保すると効果的です。例えば「週に1回、30分だけツールのヘルプを読む時間を作る」など、継続可能な計画を立てます。
- 小さな成功体験を積む: 「この機能を使ってみたら、こんなに便利になった」という小さな成功体験を積み重ねることで、学習へのモチベーションを維持できます。
- 仲間を見つける: 同じようにツールの学習に取り組んでいる同僚と情報交換したり、一緒に学ぶ機会を持ったりすることも励みになります。
セキュリティに関する学習も忘れずに
デジタルツールを活用する上で、セキュリティについても学ぶ必要があります。ただし、最初から高度な知識を身につける必要はありません。まずは、会社で推奨されているセキュリティ設定(例えば、パスワードの適切な管理や二段階認証の設定など)を理解し、実践することから始めましょう。セキュリティに関する情報も、ツールの公式情報や社内の情報セキュリティ担当者から提供される情報を参照することが、正確な情報を得る上で重要です。
まとめ
リモートワークで多くのデジタルツールが登場し、その学習に難しさを感じている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、全てのツールを完璧に使いこなす必要はなく、ご自身の業務に必要なツールを、焦らず、少しずつ、効果的な方法で学ぶことが大切です。
この記事でご紹介したステップ(困り事の整理、必須機能の特定、学び方の選択、記録、実践・応用)を参考に、ぜひデジタルツールの学習に取り組んでみてください。一歩ずつ進めることで、デジタルツールがリモートワークにおける心強い味方となり、業務効率の向上やチーム連携の円滑化につながるはずです。